沖縄よろずで、ご相談されたお客様の「経営課題」の支援事例などです。
毎週日曜日「沖縄タイムス」紙の経済面に連載中です!
◆ 企業名 合同会社シアターウル
◆ 業 種 サービス業
◆ 所在地 石垣市
◆ 資本金 非公表
◆ 創 業 2023年
◆ 従業員 非公表
【相談】
法人設立間もなく実績がないが、新規の児童施設指定管理の募集がありチャレンジしたい。行政の委託事業は初めてでどうしたらいいか相談したい。
【回答】
相談者の吉田宇留さんは石垣島に移住し、演劇やアートを通した子どもたちの教育支援活動を展開。得意分野を活かしながら地域の子どもたちの居場所づくりに積極的に貢献してきた。
当初は会社員の傍ら活動していたが、2023年に合同会社シアターウルを設立。石垣市の児童施設管理者への応募にあたり、事業計画書作成のヒントを求め、よろず支援拠点石垣サテライトへ相談に訪れた。事業計画書作成は初めての経験ということで、項目の意味や文章の書き方、数値の表現方法について説明しながら、作成を支援した。公募要領を何度も読み込み、行政の担当者への質問内容も検討を重ねた。
施設運営には子どもたちと地域が連携した事業が必須であったが、代表者のこれまでの経験もあり、地域住民との交流・体験活動の実施や、学習用具やおやつ等を近隣事業者から購入することなどを計画書に落とし込むことができた。収支計画書では売上見込み額をはじめ、原価計算(仕入れや人件費)や事業運営に係る経費額を3~5年分記載し、計算方法や算出根拠について細かくチェックした。
何回も計画書を書き直して申請した結果、無事採択を受けた。代表者個人のこれまでの実績と情熱、そして綿密な事業計画書が評価されたのではないかと予想する。ここからがスタートである。会社運営についても、雇用に関すること、経理の仕方などさまざまな支援を行った。
近年、学習支援サービスを展開している事業者からの売り上げ拡大の相談が多いことから、吉田さんには「将来を見据えて、補助金や助成金以外での収入源を確保することを意識して、会社経営を心掛けてほしい」とアドバイスした。補助金や助成金は税金を活用していることから、法律や制度が変われば打ち切りや終了の可能性も大いにあり、補助金ありきの経営になってしまわないか心配が先に立ってしまったが、今後もさらなる支援を続けていきたい。問い合わせは合同会社シアターウル、電話090(6323)2030。
(県よろず支援拠点石垣島サテライトコーディネーター・平田睦)
※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会等支援機関へお問い合わせください。
詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12931948.html
◆ 企業名 エステサロンカフー花
◆ 業 種 エステサロン
◆ 所在地 うるま市具志川
◆ 資本金 個人事業
◆ 創 業 2023年
◆ 従業員 非公表
【相談】
住宅街にサロンがあるため場所が分かりづらいので、小規模事業者持続化補助金を活用して、よもぎ蒸しとエステサロンの看板とチラシを作成し集客につなげたい。効果的な制作手順やデザインのポイントを知りたい。
【回答】
うるま市の閑静な住宅街の中にあるエステサロンカフー花(ばな)は「自分の身体をねぎらう時間をぜいたくだと思わずに、自分らしさを保つために大切なメンテナンスをしてほしい」という思いをコンセプトにした隠れ家的エステサロンである。オーナーの宇榮原美鈴さんはホテル内のサロン勤務経験を生かし、よもぎ蒸しやボディートリートメント、リンパケアといった癒やしの時間を提供し、非日常の空間を演出している。
宇榮原さんは、創業前からうるま市役所での月1回の相談会を利用し、継続的によろず支援拠点をご利用いただいている。エステサロンカフー花はコンテナを利用したサロンで、住宅街のやや入りくんだ場所にある。来店されるお客さまが迷わないようインスタグラムに動画を掲載するなどの工夫もしていたが、看板の必要性を感じていた。タイミングよく小規模事業者持続化補助金の公募があり、応募し採択された。具体的な看板のデザインについて、どのようにアピールすればいいかとの相談を受けた。
看板作りは、店舗がどのようなサービスを提供しているか一目で分かる明確なデザインが必要となる。宇榮原さんから駐車場の案内と道路沿いに店舗案内の看板を作りたいという希望があった。基本的なレイアウトの例を紹介し、それを基にラフ案を作り、制作を依頼する看板屋と現地の状態を確認しながら作っていくのが良いとアドバイスした。設置予定の道路には樹木などの障害物があるというので、のぼり旗の方が効果的な可能性もある。宇榮原さんが車で通ってみて、目立つ所への設置を検討することも助言した。
看板とのぼり旗設置の効果もあり、お客さまが来店時に迷うことがなくなり、順調に来店客数も増えている。
問い合わせはエステサロンカフー花、電話090(6867)8598。
(県よろず支援拠点コーディネーター・川上真味)
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◆ 企業名 県よろず支援拠点
◆ 業 種 経営相談窓口
◆ 所在地 那覇市
◆ 資本金 なし
◆ 創 業 2014年
◆ 相談員 30人
来県観光客の増加で好況な企業が増えた一方で、止まらない物価高騰や人手不足、人件費上昇で利益が残らない中小企業も多い。返済やコロナ期猶予されていた社会保険料の短期納入で経営環境は厳しい。
県民の雇用や所得を支える中小企業は県内企業の99.9%を占める。未曽有の大災害であるコロナ禍により、県の基幹産業である観光は大きな打撃を被った。ゼロゼロ融資などの借り入れでこの被害をしのぐしかなかった事実をまず確認しておきたい。
コロナ関連融資は借り入れである以上返済しなければならない。すでに返済は始まっている。また、コロナ禍期に猶予されていた3年分の社会保険料も1~2年で納付しなければならない。これらの返済原資は各事業者の利益から捻出する。
ところがコロナ禍後に事業者を襲ったのが、収益を上回る原材料費や燃料費の高騰、人手不足と人件費の値上がりなどである。当然返済原資が賄えない。
昨年の県内の企業倒産は54件、廃業・休業・解散は448件で過去最多を記録した。信用保証付きの返済が3カ月滞ると信用保証協会に金融機関から事故報告が上がる。その後も滞納が2~3カ月続くと代位弁済となり、銀行などには信用保証協会が弁済する。事業者は信用保証協会へ少額でも返済し続けなくてはならないだけでなく、いわゆるブラックリストに載り、新規の融資は受けられなくなる。昨年度の代位弁済件数は748件で過去最多であり、全国一の件数である。
代位弁済された事業者は8~9割が事業継続意欲をなくすと言われている。私たちは代位弁済された事業者が金融機関との通常取引を回復、新規事業資金も調達し業績を回復した実績がある。県内の支援機関や金融機関は連携して支援に当たる体制を持っている。事業継続意欲を持ち、自ら再起を目指す事業者を見捨てることはない。大切なことは、事業者が諦めずに身近な支援機関に相談することである。
(県よろず支援拠点チーフコーディネーター・上地哲)
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◆ 企業名 Sweet株式会社
◆ 業 種 理美容業
◆ 所在地 読谷村
◆ 資本金 非公表
◆ 創 業 2001年
◆ 従業員 40人
【相談】
各店舗の集客や広報の方法、従業員が働きやすい環境整備や社会的信頼確保のための法人化、インボイス対応に伴う税務など、多店舗経営の中で起こるさまざまな課題について相談したい。
【回答】
相談者は読谷村、うるま市で理美容室と写真館を合わせて6店舗経営する上地広喜氏。読谷村商工会で開催されたインボイスセミナーに参加したことがきっかけで2022年4月に初めて相談に訪れた。多店舗経営は売り上げの拡大も図れると同時にさまざまな経営課題が派生する。
最初の相談対応はうるま市石川の店舗の集客ついての相談であった。スタッフは全員子育て中の主婦で、平日は夕方5時までの営業である。課題は平日昼間の集客と客単価の向上。グーグル検索では上位に掲載され、周知に問題はない。既存顧客の販売強化に向け髪質改善などの高単価サービスの訴求についてアドバイスし、客単価のアップと新規集客に結びつけることができた。
その後、美容室に併設するこども写真館10周年の企画で、百日写真の販売促進の相談。集客に向けたチラシ作成やSNSを活用した広報活動方法をアドバイスしたところ、効果が出て昨年8月には過去最高の売り上げを達成、翌月も前年比130%を記録した。
オーナーの上地氏は多い従業員を大切にする経営を行っており、保険や年金、福利厚生を充実させることが最大の目的と考え、法人化を検討してきた。2024年8月に実現し、社会保険制度の整備も整えた。その際のインボイス対応により、一定期間の税控除も受けられた。
また、長年勤めて来たスタッフの業務委託契約についての相談では、契約書内容を当拠点の法律相談を受けた。弁護士コーディネーターのリーガルチェックとアドバイス受け、新たな契約に基づき継続契約を行い働き続けることができた。
上地氏のように、その時々の経営課題を早めに相談すると解決も早い。継続的によろず支援拠点を利用によるメリットは大きいと考えられる。
問い合わせはSweet株式会社、電話098(989)0800。
(県よろず支援拠点コーディネーター・仲宗根功)
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◆ 企業名 石嶺織物「timpab」
◆ 業 種 製造・卸業
◆ 所在地 宮古島市
◆ 資本金 個人事業
◆ 創 業 2012年
◆ 従業員 1人
【相談】
伝統ある宮古上布を着物だけでなく雑貨商品まで販路拡大するために、宮古島ぷからす交流商談会に初出展する。その際にホテルなどのバイヤー側に伝わる商談をしたいが、どのように準備していけばいいか?
【回答】
宮古上布は日本三大上布の一つで宮古島の苧麻(ちょま)という麻の繊維で績んだ糸で織られる高級な麻織物である。石嶺織物timpab(ティンパブ)代表の石嶺香織さん=写真=はその魅力を学ぶために福岡県から宮古島に移住し、宮古織物事業協同組合の後継者育成研修を受けて独立、開業した。timpabは宮古の言葉で「天の蛇=虹」、宮古島のいのちを身にまとうをコンセプトに伝統を未来につなぐ虹となり次の世代につなぐ思いで、職人として日々ものづくりをしている。反物をはじめ、かりゆしやワンピース、ショール、皮などの異素材を組み合わせたバッグや名刺入れなどの魅力的な商品がそろっている。
ご相談は、島内での販売を目的で開催される宮古島商工会議所主催の「ぷからす交流商談会」に出展し、商品を島内リゾートホテルなどに紹介して販売につなげたいとのこと。その商談会での進め方などについてである。
石嶺さんの思いをうかがい二つのアドバイスを行った。一つ目は、島内のどのホテルと取引したいかを決めること、そしてホテルの環境や顧客層などを見極めるために実際に顧客として利用してみることである。
二つ目は、商品を卸して終わりではなく、実際に石嶺代表自らがホテルでの実演販売するよう提案した。宮古上布や商品についてご本人が売り場に立ちお客さまへ直接伝えられるポップアップ販売は取引実現が高まることを伝え、ホテルバイヤー向けのポップアップ専用の提案書の作成アドバイスをした。
展示商談会では、石嶺さんの提案の具体的内容や意欲が伝わり、3月以降に3カ所のホテルでの特別販売会が決定した。今後は、沖縄本島内のセレクトショップなどで取引できるように、商品づくりや営業活動のサポートを行っていきたい。問い合わせは石嶺織物「timpab」電話080(6490)1770。
(県よろず支援拠点コーディネーター・野口正幸)
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◆ 企業名 しゃぶしゃぶと島豚料理 みなみ
◆ 業 種 飲食業
◆ 所在地 那覇市
◆ 資本金 個人事業
◆ 創 業 2018年
◆ 従業員 13人
【相談】
那覇空港を利用する観光客が増え、カツサンドの販売数が伸び売り上げは増加した。一方、原材料の高騰と買掛金が膨らみ、支払いも増加。しかし売掛金入金までの期間が長いため運転資金不足で、資金繰りが厳しい。
【回答】
那覇市にある「しゃぶしゃぶと島豚料理みなみ」はキビまる豚にこだわったしゃぶしゃぶ専門店として創業。飲食店営業に加え、コロナ禍で高まる中食需要に対応するため、「ミルフィーユカツサンド」を開発、那覇市長賞も受賞した。空港内の販売店舗ではカツサンド専用ショーケースを設置し売り上げは順調に伸びた。販売数の増加に対応するため事業再構築補助金を活用し総菜専用の小規模セントラルキッチンを設置した。
しかし、売り上げ増加に伴い二つの課題が発生した。一つ目の課題は、元々飲食店からスタートしたこともあり、空港の店舗で販売に合わせた適正な粗利益を確保できる卸値を設定していなかったことや、高品質な「キビまる豚」の利用や「キャベツ」などの原材料費の高騰で、粗利益の確保は厳しくなっていた。二つ目は、仕入れの大半が現金払いである一方、売掛金は入金まで比較的長めであったため、資金繰りがますます悪化していた。 現状を把握するためにヒアリングした結果、まず生産性向上と価格転嫁を行うことを提案。原材料のロス削減や標準時間管理の徹底による生産性向上に取り組み、改善は進んだが抜本的な回復はできなかった。
製造業の価格転嫁は、取引先の理解を得ることが難しいケースがある。幸い取引先がパートナーシップ構築宣言を行っている企業であったため、資料作成や交渉方法をアドバイスした。その結果、販売単価が向上し、入金までの期間も短縮され、資金繰りを改善することができた。パートナーシップ構築宣言とは、サプライチェーン全体の共存共栄と新たな連携などに取り組むことを宣言するもので、今回の価格転嫁には大きく影響したと考えられる。
価格転嫁については現在県内でも同様の事案が多数ある。価格転嫁できない理由はさまざまだが、よろず支援ではそれぞれの相談者に、適切な価格転嫁ができるようサポートしていきたい。問い合わせはしゃぶしゃぶと島豚料理みなみ、電話098(943)2729。
(県よろず支援拠点サブチーフコーディネーター・金城力)
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◆ 企業名 チオンの家
◆ 業 種 宿泊業
◆ 所在地 恩納村
◆ 資本金 個人事業
◆ 創 業 2022年
◆ 従業員 非公表
【相談】
恩納村冨着で一棟貸しの宿泊施設を運営中。カラフルなモザイクタイルの建築が台湾などで話題となり、インバウンド(訪日客)の利用も多い。さらなる集客について助言が欲しい。
【回答】
チオンの家は、2022年に知花竜海さん・恵美子さん夫妻が開業した1棟貸しの宿だ。恩納村の大通りから一歩入った、海が見える静かな高台に立地している。カラフルなモザイクタイルに彩られたアースバッグ建築は、土を建材に用いた曲線構造。部屋から外を眺めると、ハーブや野菜、色とりどりの花が咲く緑豊かな庭が広がり、宿泊者は庭の野菜やハーブの収穫を楽しめる。
チオンの家は、台湾の著名人が滞在したことをきっかけに台湾で話題となり、台湾からの宿泊客が多く訪れる。中国への留学経験がある知花さんは中国語での接客も可能だ。開業から3年近くたち、これまでの運営を総点検しつつ、集客をより強化したいとの相談があり、複数の専門コーディネーターがサポート中だ。
インバウンド対応においてはいくつか特定のターゲット国を想定しているが、その国の連休に合わせた宿泊プランの提供ができるとスムーズだ。また、宿泊料金の設定について、これまでは年間を通じ一律の価格設定としていたが、シーズンなどによって宿泊料を調整するダイナミックプライシングの導入を提案した。
これにより、閑散期の予約率を高められる上、過去のデータや現在の予約状況から価格調整が可能となり、利益の最大化を図ることができるようになる。
インスタグラムには、ターゲットである台湾人からの検索を想定し、検索対象であるアカウント名部分に繁体字を追加したところ、台湾からの問い合わせが早速増加した。現在は春節の繁忙が落ち着き、予約も一服している。比較的時間に余裕のあるこの時期に、SNSを使い付加価値を伝え、新たな集客につながるさまざまなサポートを続けていきたい。
問い合わせはチオンの家、HPは https://chions-house.okinawa/
(県よろず支援拠点コーディネーター・堀家盛司)
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沖縄県内の景況判断は観光来県者数の増加で「好況」との判断が多い。一方、中小企業の休廃業・解散・破産・倒産は過去 10 年で最多を更新し続けている。借入返済が滞り、代位弁済された事業者数も過去 10 年で最高で全国一である。税収や雇用を支えてきた中小企業の減少は県経済と県民生活を衰退させる。
コロナ融資の返済が厳しい
県内企業(事業者)のうち中小企業が 99.9% を占め、雇用されている県民のうち約 9 割がそこで働いている。中小企業の 7 割以上は個人事業者を含む小規模事業者である。まさに県経済の屋台骨である。未曾有の世界的災害であるコロナ禍は、この屋台骨に大きなダメージを与えた。売り上げが止まった 3 年間の赤字を補填するため、ほぼ全ての事業者がゼロゼロ融資を含むコロナ関連融資を受け、何とか凌いできた。元金据え置き期間が終わり、返済が順次、始まっている。その数は 2023 年度をピークにのべ 3 万件弱とみられる。
倒産、休業・廃業、解散も過去最多
観光市場では観光客が戻り景況感も回復しているし、売上額も上がっている。しかし、物価高や人手不足、賃金の上昇、価格転嫁ができない等で利益は残らない。そんな中でコロナ関連融資の返済が始まった。コロナ関連融資は事業性融資ではなく、元々が赤字補填の借り入れだったこともあり、事業者の資金繰りはますます厳しさを増している。
東京商工リサーチによると、2024 年に県内で 1 千万円以上の負債を抱え倒産した事業者は 54 件、休業・廃業および解散は 448 件で過去最多である。これらの事業者の多くは借り入れの返済が行き詰まり、このような結果に至っていると推察できる。ゼロゼロ融資等を受けた事業者の返済が滞った場合、金融機関は代位弁済を実行し、県信用保証協会に保証してもらう。2024 年度の代位弁済件数は 12 月時点で前年度の倍以上の 546 件、過去 10 年で最多で、全国一の件数となっている。
事業継続、再建は可能
代位弁済された事業者のほとんどが事業継続意欲を失い、廃業や破産に進んでしまう。代位弁済されても約 1 割の事業者は、従業員の雇用や取引先との約束を守るために事業継続の意思があるという。返済を滞らせた責任があるから廃業や破産しても仕方がないという意見もあるが、意図的に滞納したのではない方がほとんどである。返済の滞納が発生する前に支援機関に資金繰りの相談をすることが一番良いが、滞納が起こってからでも遅くはない。早め早めの相談が事態の解決につながっていく。1 社でも多く、事業の持続・再生を進めていくことが、県経済にとって有益であることは言うまでもない。
連携して再生・再起を支援した事例
よろず支援拠点はその方々の力になりたいと思っている。多くの支援機関や金融機関も同じ思いを持っている。代位弁済されたが再建を果たした事例がある。
ある食品製造業者が赤字経営により、仕入先への買掛金の支払いが滞り、銀行からの借入金返済も延滞状態となった。このため、県信用保証協会へ代位弁済が請求された。経営危機の中、従業員も一体となり経営改善に着手し、ついに黒字化を達成した。生産現場を改善し、さらなる収益拡大を意図したが、新期融資を受けるには債務正常化(求償権消滅)という高いハードルを越えなければならない。経営者の事業継続の強い意志と、信用保証協会や金融機関等の連携した取り組みで、求償権消滅を果たし、金融機関の支援が実行され、再建が実現した。
必要なのは早め早めの相談
2024 年 11 月 2 日、政府は総合経済対策を閣議決定し、総理大臣をはじめ全閣僚連名で各自治体や支援機関や金融機関に通達した。その中で、借入金返済や資金繰りに困窮した中小企業に対し金融機関や支援機関が「早め早めの相談」を促すよう明記している。金融機関は代位弁済を選択する前に、よろず支援拠点をはじめ地元の支援機関への相談を積極的に勧めてほしい。
詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12897218.html
◆ 企業名 Churasora(チュラソラ)
◆ 業 種 製造・販売、レジンアート
◆ 所在地 渡嘉敷村
◆ 資本金 個人事業
◆ 創 業 2020年
◆ 従業員 1人
【相談】
レジンアート作品を制作してきた照沼美乃梨代表は、渡嘉敷村商工会の支援を受けレーザー彫刻機を導入し生産体制を整え、観光土産品としての評価は確立しつつある。今後は島外の販路開拓に挑戦したいとの相談があった。
【回答】
渡嘉敷島の工房Churasora(チュラソラ)代表の照沼美乃梨さんは、国立公園に指定されたケラマブルーを繊細で美しく表現したレジンアートで「海」や「ザトウクジラ」をモチーフにキーホルダーやスマホケースなどを制作している。2022年には役場と交渉し、港待合所チャレンジブースで販売を始めた。また、小規模事業者持続化補助金を活用してレーザー彫刻機を導入し、日付やネームなどを刻み付加価値を高め、島の観光土産品としてのクオリティーを高めた。
これからはホテルの装飾品やブライダルギフト、記念品などのオーダーを受注する作家として島外へ営業をしたいと商工会に相談。1月開催のホテル関係者が集う「果報庭商談会」への参加を勧められ、商談のポイントを学ぶためによろず支援拠点を訪ねてきた。
提案したことは(1)商談では「卸」の考え方が必要で、「卸」に対応する価格設定が必須。原価計算して利益を乗せて今のうちに価格転嫁すること(2)作家としての地位を確立するためにも自身を売り込むネタが必要で、他者との違いや「強み」、商品開発ストーリーを整理したパンフを準備すること(3)商談会でのブースディスプレーはインパクトのある展示物で目を引く演出は重要であること-の3点。ホテルバイヤーへ積極的に話しかけることなどもアドバイスした。
昨年度の離島フェア特産品コンテストでは優秀賞を獲得するなど商談会への弾みがつき、モチベーションを高め「果報庭商談会」に臨んだ。照沼さんの前向きな姿勢と商工会のサポートで一歩一歩踏み出す地固めができ、次のステップアップのためによろず支援拠点を活用した。支援機関との連携で課題解決の役割分担ができ、照沼さんの背中を押すことができた。問い合わせはChurasora(チュラソラ)、電話090(5346)5246
(県よろず支援拠点コーディネーター・池村博隆)
※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。
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「地域資源 x ブランディング」をテーマにした「つながる特許庁 in 宮古島」(主催・沖縄総合事務局、特許庁)が 26 日、市役所で行われた。宮古島や伊良部島の起業、支援機関の担当者らが参加し、地域資源の活性化やブランド戦略について認識を深めた。
同イベントは、知的財産の活用サポートの一環として、2021 年から全国各地で行われており、宮古島市では初開催。イベントの様子は YouTube でオンライン配信された。
イベントは 2 部構成で、第 1 部ではエコツーリズムの先駆者で開(ひらき)梨香氏(カルティベイト代表)とものづくり専門家の上地哲氏(県よろず支援拠点チーフコーディネーター)が地域資源を見つけるポイントをテーマに対談した。
上地氏は「まず足元を見ることが大切だ」とし「足元にある宮古島、伊良部島の宝を見つけ出して磨きをかけてほしい。地域や地元の人が掘り起こしてつくったものはそう簡単には消えない」と強調した。
「ポイントは情熱だ」とした開氏は「やる側、つくる側が真剣にやれば良いものができる。地元の知恵を使うことで思いもよらない評価が得られることがある。自分や地域が主人公で、いろいろな人の力を借りることで磨かれていく。その時に必要なものは知的財産を守ること。一度、一代で終わらない継続性をつくることが大切だ」と訴えた。
デザインイノベーションおきなわ代表理事の神里僚子氏は講演で、伊良部島の実践例を示し、みんなでつくる地域の魅力を語った。地元企業代表で蟹蔵の吉浜崇浩代表や浜口水産の濱口美由紀代表、宮古島の雪塩の平良雄一氏らがパネルディスカッションしたほか、第 2 部では日本弁理士会主催の交流会が行われた。
主催者あいさつで、特許庁の油科壮一審査第四部長は「参加された皆さんにブランドや商標、知的財産についてより身近に感じていただければ幸い」と述べた。
来賓の嘉数登市長は「県内で幅広く活躍する登壇者のセッションは参加者に有意義な情報提供となり、今後の戦略的な事業経営に応用できるものと期待している」と語った。
(令和 7 年 2 月 27 日 宮古毎日新聞 8 面掲載)
詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12892581.html
◆ 企業名 Tidy Okinawa
◆ 業 種 片付けコンサルタント
◆ 所在地 那覇市
◆ 資本金 個人事業主
◆ 創 業 2024年1月
◆ 従業員 なし
【相談】
個人事業で英語教室を経営している。新たに「部屋の片づけコンシェルジュ」の事業で売り上げを増やしたい。英語力を生かして在沖米軍・軍属をメインに集客を考えているが、どのようにアプローチすれば良いか相談したい。
【回答】
Tidy Okinawaの久場弘美さんは、10年以上ECCジュニア英語教室を経営してきた。近藤麻理恵著「人生がときめく片づけの魔法」に感銘を受け公認資格を取得。「こんまり流片付けコンサルタント」として新たなビジネスを立ち上げた。得意の英語力を生かし、日本人以外にも在沖米軍人や関係者をターゲットに集客を図ったが目標には届かず、よろず支援拠点に相談に来られた。
まずは事業を伸ばしつつ、県内在住の外国人向けの対策が必要である。ポイントは(1)ビジネススキーム(2)事業計画(3)情報発信-の3点。(1)の本質は「片付けを通じて軽やかで充実した生活を送れる」という価値を前面に打ち出すこと。メニュー数、平均客単価、所要時間、1日の稼働時間を基に売り上げの可能額を算出し、目標との差を分析して集客と客単価設定の戦略を検討する。(2)は売り上げ・経費・利益のバランスを分析して年間の計画を策定してみること。具体的な売り上げ目標と経費管理を行い持続可能な経営戦略を明確にすると良い。(3)はターゲットに適切なサービス・特典などを伝えることが大切である。多言語対応でのホームページ、GoogleビジネスプロフィールやSNSの活用を強化すること。口コミを促すため、お試し体験や実技解説を動画や写真と組み合わせて発信すると効果的である。
チラシ配布やSNSを活用し口コミを広げた結果、売り上げは約3倍に向上した。しかし、米国人集客はまだ目標に届いていない。事業計画の修正や情報発信の方法や多言語対応の課題は残る。これからもひとつひとつ課題を解決していく「沖縄のこんまり」久場さんを応援していきたい。
問い合わせは「こんまり流片付けコンサルタント」久場弘美、メールは kubahiromi@icloud.com サイトは https://www.tidying-up.biz/
(県よろず支援拠点コーディネーター・大久保竜也)
※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。
詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12889723.html
◆ 企業名 イートンポート
◆ 業 種 各種商品卸売業
◆ 所在地 那覇市
◆ 資本金 個人事業主
◆ 創 業 2024年
◆ 従業員 0人
【相談】
留学先の中国のお茶に魅了され、県産素材などを加味し沖縄土産として販売する企画を事業化したい。起業するにあたり、企画商品の開発の手法やマーケティングの方法について相談したい。
【回答】
イートンポートの代表者である平山義晃さんは2023年に沖縄県の友好都市である中国福建省へ留学した。国内の外国語大学を卒業し、県内商社や県の外郭団体での経歴を経て留学に至ったこともあり、留学先では勉強だけでなく沖縄と中国との懸け橋になる夢を抱いていた。
そんな中、現地で試飲をした本場ジャスミンティーに衝撃を覚えた。沖縄のさんぴん茶のイメージを変え新たなブランド創造ができると確信し、勉学の傍らお茶の研究を始めた。しかし事業を起こした経験もなく手探りの中、商品の企画や委託製造の方法などの壁にぶつかり、知り合いを通じよろず支援拠点へ訪れた。
平山さんの行動力や突破力はすばらしいが、初めての起業のため創業の仕方や商品のターゲティング、マーケティング、委託製造の手法など、経営の基本的な問題について複数の専門コーディネーターが対応した。結果、24年4月に個人事業主となり本格的な商品開発に着手した。
その後、沖縄ご当地の商品ブランドとして沖縄県優良県産品のNEXT部門に出品。出品の条件であるクラウドファンディング「YUIMA」への出品と50万円のプロジェクト成立を達成した。無事24年10月の沖縄の産業まつりの審査において、NEXT部門の審査員特別賞を受賞した。
現在は三つの主力製品の商品販売も開始し、売り上げも徐々にではあるが伸びつつある。沖縄県産品として売り出している商品において、今後の原料調達と委託製造先の選定が課題となっている。
現在も原料安定供給のために孤軍奮闘している平山さんだが、その行動力と信念を見ていると、必ず目標を達成できると確信している。そんな平山代表を今後も応援していきたい。
問い合わせはイートンポート、HP(https://shimacha.official.ec/)
(県よろず支援拠点コーディネーター・石垣博也)
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◆ 企業名 株式会社ひとのこと
◆ 業 種 人材育成支援
◆ 所在地 沖縄市
◆ 資本金 50万円
◆ 創 業 2023年
◆ 従業員 なし
【相談】
昨年6月に新卒採用イベントを開催したが、広報不足で企業も学生も参加数が少なかった。1月にも開催を予定しており参加企業30社を目標にしている。企業への営業活動の方法や学生を集めるための方法も知りたい。
【回答】
採用も教育も働き方も多様性も全ては「ひとのこと」である。全ては「ひと」が関係する。株式会社ひとのこと代表の国仲友里さん=写真=は、そんな「ひとのこと」のために2023年に法人を設立し、独自のやり方で企業と学生のマッチング事業を行っている。 現在の新卒採用では、企業側は「お金と時間をかけても学生に出会えない」「合同説明会に参加しても社名で選ばれない」「インターンシップからの応募はほぼない」などの問題を抱えている。かたや、学生側は「情報が多過ぎて何を基準に選べばいいか分からない」「自分のことが分からない」「エントリーシートだけで判断される」などの不安があり、新卒採用にはさまざまな課題がある。
株式会社ひとのことでは、一般的な合同企業説明会とは違う企業と学生の出会いの場としてのイベントを開催している。しかし、昨年8月に行った初回のイベントではやはり知名度もなく、企業・学生ともに集客に苦戦した。そこで、2回目の開催を前に相談に来られた。
事業開始から間もないこともあり、「ひとのこと」の知名度は低い。もっと多くの人に知ってもらう必要がある。メディアへの露出やセミナー開催などを通して周知していくことと、企業への営業の際に相手に伝わる提案書の作成を提案した。
数回の相談を重ねて、自社の独自性や強みを反映させ、企業側のメリットも分かりやすく記載した提案書ができた。開催前にメディアでもその活動が取り上げられた。その結果、1月に開催したイベントでは企業数3倍、学生数は2倍となった。学生の参加数の課題は残ったが、参加企業からは「ひとのこと」の採用プログラムについて高評価を得られた。「ひとのこと」で頑張る国仲さんを引き続き応援していきたい。問い合わせは株式会社ひとのこと、info@hitonokoto.co.jp
(県よろず支援拠点コーディネーター・小松崎愛)
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◆ 企業名 非公表
◆ 業 種 伝統工芸製作業
◆ 所在地 沖縄本島
◆ 資本金 非公表
◆ 創 業 非公表
◆ 従業員 非公表
【相談】
沖縄伝統工芸の作品を制作する職人のA氏は、自分の許可なく自分の作品が商業施設で利用されていることを発見した。時間も資金も限られる中、作品の利用を停止させるためにどのように対処するのが適切だろうか。
【回答】
A氏は沖縄の伝統技法を使った図柄を制作する職人である。作品を個展で公表し、他業者とコラボして服やハンカチに作品をプリントして販売している。ある時、同業の知人からA氏の作品図柄が商業施設の店舗内装に利用されていることが指摘された。
A氏はその店舗を知らなかったため現場で確認すると、利用された図柄は自分の作品に間違いない。さらに作品が他人の図柄と合成され一部改変も加えられていた。無断利用と改変は作家として納得がいかず、店舗に撤去など対処を求めるためよろずに相談した。
A氏作品は著作物であり、A氏には著作権が発生する。著作権者の許諾なく著作物を利用・改変することは著作権侵害となるが、本件の店舗での無断利用はまさに著作権侵害となる。
A氏は職人であり弁護士や裁判を利用するための十分な時間がなく、できるだけ迅速かつ安価に問題解決をしたいと考えた。
まずは店舗管理者の連絡先を調べ(1)店舗で利用される図柄が自らの作品であること(2)利用について許諾していないこと(3)一定期間内の利用停止・撤去を求めること-を明記したメールを自ら店舗管理者向けに送ってみた。その結果、実は店舗管理者は内装の図柄がA氏の著作物であることを知らずに利用していたことが分かった。幸い、店舗管理者は無断利用について自らの非を認め、利用停止と内装の取替対応をするとの回答が戻ってきた。A氏はその後もメールや対面で対応方法の協議を進めた。
現代は技術進歩により画像など他人の作品を簡単に複製できる。このため作家の著作物が間違って無断利用・改変される事故が起きやすい。著作権侵害を発見した場合、必ずしも弁護士や裁判を利用せずとも解決することは可能である。
時間や資金がないと諦めず、正しい法律知識を元に毅然(きぜん)と対応を要求することが重要である。紛争に不慣れな作家や職人でも、無断利用に泣き寝入りせずよろずに積極的に相談しに来てほしい。
(沖縄県よろず支援拠点コーディネーター・弁護士絹川恭久)
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◆ 企業名 KHB Collection
◆ 業 種 ウィッグ製造販売
◆ 所在地 嘉手納町
◆ 資本金 個人事業
◆ 創 業 2017年
◆ 従業員 0人
【相談】
東京ビッグサイトで開催される「ファッションワールド」というイベントに参加することになった。初めての大きなイベント出展であり、どんな準備をしたらいいか注意点などを教えてほしい。
【回答】
KHB Collectionの喜友名華恋さんは2017年にウィッグやエクステの製造販売で開業した。海外や県内の米軍基地内での経験を生かし独自のセンスで制作したウィッグやエクステは人気となり、2023年に嘉手納町に店舗もオープンした。
商品の販売だけでなく、ヘアの編み込みレッスンも行い順調に売り上げを伸ばしてきた。事業が軌道に乗ったタイミングで東京の大きなイベントに出店することにした。初の県外のイベント出展で何を準備し、イベントでは何をしたらいいか不安になり、ご相談に来られた。
「ファッションワールド東京」は日本最大級と言われるファッションイベントで、健康・美容・スマート衣料などウェルネス×ファッション製品・素材が出展する。喜友名さんは、ご自身の商品の紹介だけでなく、いろいろな人やモノとの出会いが今後のご自身のビジネスに役に立つと考えて出展を決めた。やはり初めての出展、しかも東京ということもあり不安を感じていた。
出たいという強い思いは感じられたため、以下の二つを提案した。イベントに出ることで何を得たいのか目的を明確にすることと、事業内容や商品が分かりやすいチラシやパンフレットを作成することである。
人とのつながりを一番の目的に、できるだけ多くの人との出会いを意識して参加し、思いがけず大きな収穫があった。反射材糸のメーカーから声をかけてもらい、日本反射材普及協会とのつながりができた。ご本人も予想外のビジネス連携ができて、その後の商談で反射材糸を使ったエクステが完成した。現在、協会発行のカタログ掲載品として販売が予定されている。
商品の販売、今後の新たなビジネス展開を引き続きよろず支援拠点ではお手伝いしたい。問い合わせはKHB Collection、メールはkhb2017.official@gmail.com(県よろず支援拠点コーディネーター・小松崎愛)
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◆ 企業名 マルゼンミート
◆ 業 種 精肉店
◆ 所在地 石垣市
◆ 資本金 個人事業
◆ 創 業 2024年7月
◆ 従業員 1人
【相談】
石垣島のファーマーズマーケット前にある鮮魚店が閉店したので、同じ場所で精肉店をオープンしたい。立地を生かした卸売りと店頭小売りで安定した経営をするための方法について相談したい。
【回答】
石垣島のJAファーマーズマーケット「ゆらてぃく市場」の目の前の角地に精肉店を開業することになった金城善明さん。以前は鮮魚店だった店舗は小さいが、冷蔵・冷凍設備なども整っており、大きな改装工事を必要としない。少人数でオペレーションするには適した環境のお店だ。目の前のファーマーズマーケットは観光客や地元の人が石垣島産の農産物や特産品を買うために数多く訪れる活気のある場所である。精肉店の開業にあたり、今後の経営について石垣島サテライトに相談に来られた。
お話をうかがうと、卸売り、小売りとも金城さんおひとりで店の運営をする事が分かった。まずは業務用卸での販路拡大と、店舗集客のターゲッティングを提案した。安定した売り上げを作るために、地元の精肉店で数十年働いていた金城さんの経験を生かし、宿泊施設や飲食業などへの卸販売から始め、営業と配達を中心に販路を拡大したい。
また、立地を生かした店頭販売を行うため、ターゲットを地元主婦層に設定し、ファーマーズマーケットで野菜や果実の購入ついでに立ち寄りやすく、主婦が日常的に購入しやすい精肉商品を中心にラインアップすることにした。
相談から数カ月後の昨年7月に開業し、計画通りに売り上げを伸ばしている。石垣島で和牛ブランドを立ち上げた事業者からも店頭販売の依頼をいただいた。和牛生肉商品や和牛弁当を売り始めたことで地元客の来店機会が増えている。現在は卸売りが安定して伸び、さらに来店客数が増えてきたことで人材不足となっており、新たな課題も見えてきた。 今後は事業拡大の計画を立て、さらなる販路拡大と、立地を生かした販売方法で地元客の集う店づくりに取り組む金城さんを応援していきたい。問い合わせはマルゼンミート、電話0980(82)2557。
(県よろず支援拠点石垣島サテライトコーディネーター・池淵功寛)
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◆ 企業名 G社
◆ 業 種 卸売業
◆ 所在地 那覇市
◆ 資本金 個人事業
◆ 創 業 非公表
◆ 従業員 非公表
【相談】
個人事業から法人成りを検討しているが、法人にした際の決算はいつにするのがいいのか、どのように決めたらいいか相談したい。
【回答】
食料品の卸売業を営んでいるG社は個人事業として創業し5年。売り上げ、利益ともに順調に伸びている。今回の相談は、法人化に当たり決算月の決定についてである。同業経営者など周囲に相談するとさまざまな意見があり、ますます混乱してしまったとのことで相談に訪れた。
個人事業の決算月と違い、法人は任意の月を選択することができる。年度末を選択する企業も多いが、事業にかかわるさまざまな要素を考慮して決定する方が好ましい。特に資金繰りの影響を考慮して選定することが重要で、次のような観点から検討してはどうかとアドバイスを行った。
まずは売り上げのピーク時期を考慮すること。いわゆるかき入れ時がある場合、それ以降に決算を迎えると、決算期末の資金繰りが楽になってくる。その理由としては決算の納税が決算日の2カ月後となるためである。通常の仕入、経費の支払いに加え、納税資金の確保となると資金繰りに与える影響はかなり大きくなってくる。経費の支払いにおいても賞与などの影響により特定の時期には支払額が多くなることがある。
また、不動産や大きな設備を所有している会社においては固定資産税や維持費など特定の時期の支払額が多くなってくる。卸売業を営むG社においては大きく仕入を行う時期があり、仕入直後の在庫を抱えた状況で決算を迎えた場合、納税資金も用意しなければならないため、資金繰りを圧迫してしまう。
売上ピーク時にしっかりと販売を行い、売上代金の回収ができたところで決算を迎えることができれば資金繰りの安定した経営がしやすいといえる。資金繰りの安定は事業の継続、発展にとって最も重要な要素である。そのため資金繰りを考慮した決算月の決定は経営計画の立てやすさにもつながる。
今回のアドバイスを元にG社に合った決算月を決定することができた。代表者にとっても良い決定ができたと思う。法人化後もさらなる事業発展を願ってあらゆる分野からの支援を続けていきたい。(県よろず支援拠点コーディネーター・税理士 遠山康英)
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【相談】
コロナ禍で売り上げが落ち込んだ上、スタッフも削減しビュッフェスタイルでの飲食経営を進めているが、現状の売り上げ拡大に向けた手段手法や活用可能な補助金などのアドバイスが欲しい。
【回答】
相談者は名護市で飲食店「食材たちの隠れ家AZITO」を経営する中本泰史さん。店舗は地上6階で開放的な大きな窓から名護のサンセットや夜景、夏祭りの花火が一望できる。くつろげるソファ席や、レイアウト自由な広々とした店内で、ロマンチックな雰囲気の大人の隠れ家&遊び処として2013年に開業した。
女性客をはじめ地域の人気店だったがコロナ禍でスタッフを削減、新たにビュッフェスタイルで飲み放題、食べ放題へ変更した。料金は大人4500円でビールやハイボールだけでなく、日本酒や焼酎など豊富なドリンクメニューを取り入れている。コロナ禍でいったん離れたお客さまや新規のお客さまを増やすため苦戦して今回相談に来られた。
もともと女性客や地元客に人気の店だったが、コロナ後の再スタートで新たな情報発信とPRが必要と判断した。提案したのは、現状の店舗&メニューをSNSの活用で発信し訴求させていくことと、仕事帰りに歩いて立ち寄れる近隣の商圏ターゲットや、模合(モアイ)などのグループ客を想定したPR戦略である。
さらに活用可能な補助金として小規模事業者持続化補助金や、その他の支援メニューの注意点や留意点などのアドバイスを行った。
現在は夫婦での営業だが、情報発信の効果もあり女性客をはじめ徐々に来店客数が増加しつつある。記念日やモアイなどの活用も増えてきている。立地を生かした夏祭り花火のための先行予約もSNSで行い、多くのお客さまに来店いただいた。6月の相談以降順調に売り上げを伸ばし、相談前と比較して来店客数は最大で月100名以上増加した。今後はもっとお客さまに届く内容を発信し、より売り上げ拡大に結び付けられるように継続支援していきたい。
問い合わせは、食材たちの隠れ家AZITO、電話0980(54)0009。
(県よろず支援拠点コーディネーター・渡具知豊)
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沖縄県内企業4万4424(2021年)の99.9%が中小企業、従業者総数38万9484人のうち約90%が中小企業で働く。地域の税収や雇用は中小企業に大きく依存し、地域経済を支えている。社会の核心的存在である中小企業の経営者を孤立させてはいけない。
◆ 企業名 県よろず支援拠点
◆ 業 種 経営相談窓口
◆ 所在地 那覇市
◆ 創 業 2014年
◆ 相談員 30人
中小企業などの経営相談を担うよろず支援拠点は11年目を迎えた。これまで約6万件の相談に対応して、その満足度は96%(2023年度)。完璧とは言えないが、これは他の支援機関や金融機関と連携して支援に当たってきたこと、沖縄タイムス紙がこのコーナーの連載を10年以上継続してきたことが大きな力となった。
改めて過去の連載記事を振り返ると、社会環境の変化に対応してきた事例が多い。特に未曽有の災害と言えるコロナ禍を経て、地域経済も大きく様変わりした。ニューノーマルと言われる社会変化の中で、大きく成長できた企業もあれば、コロナ関連融資などの返済に苦慮する事業者も多い。
先月は決算期と重なったこともあり、県信用保証協会の代位弁済が急増した。休・廃業、倒産も増えている。これ以上地域経済を支えてきた中小企業を減少させてはいけないと強く感じている。
いわゆるゼロゼロ融資などは災害による赤字補填資金であり、売り上げを伸ばすための事業性資金ではなかったので、その返済には相当の努力を要する。このことを理解して、行政を含めて地域社会が中小企業を支えてほしい。
よろず支援拠点のミッションは、商いを成り立たせるためのサポートである。これまで書かせていただいた事例でも、多くを「売り上げ拡大」に割いてきている。まず事業による利益を確保し、経営を安定させることが商売の基本である。
具体的事例の中から、自社に参考になる手法を取り入れて経営改善につなげていけば良い。これまでもこのコーナーの紙面を切り抜いて相談に来られる方も多い。
500回目の連載に当たり沖縄タイムス紙のご協力にお礼を申し上げるとともに、引き続き県内中小企業を支えていただくようお願いしたい。
問い合わせは、沖縄県よろず支援拠点、電話098(851)8460。
(県よろず支援拠点チーフコーディネーター・上地哲)
※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、よろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。
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中小企業や小規模事業者向け無料の経営相談所「よろず支援拠点」を、政府が全ての都道府県に設けて10年が経過した。売り上げ拡大や商品開発、人手不足といった相談対応は延べ300万件を超えた。中小企業診断士や弁護士らが経営者の課題解決に〝伴走〟する地道な取り組みが続く。
「専門家に付いてもらい、数字を見て考える大切さを知った」。宮崎市のバラ園「こどものくにガーデン」を管理するガーデナー、源香さん(49)は話す。よろず拠点の助言で挑戦したクラウドファンディング(CF)で目標額を上回る516万円を集め、看板作成や備品購入などに充てた。
バラ園は当時、運営会社から管理委託費が半減される事態に直面。よろず拠点の中小企業診断士、中城健太さん(36)は「CFは応援してくれる人が見える。金融機関の融資や自治体の補助金よりも『みんなでつくる』ことでドラマが生まれると思った」と振り返る。
経営相談を経て、温泉旅館からフォトスタジオに業態を切り替えたのが秋田県大仙市の「ドレスリゾートこわくび」。東日本大震災後に経営難に陥り、新型コロナウイルス禍が追い打ちとなった。日々の運転資金が必要な旅館業を終え、宿泊客向けサービスだったドレス撮影を専業にした。
今は千着超そろえたドレスを自由に着てもらい、撮影し放題のプランが人気だ。女性グループや家族連れのほか、コスプレやウエディング写真撮影目的の客も訪れる。
伊藤竜寛さん(65)、久子さん(59)夫妻はホームページや交流サイト(SNS)、館内の展示などについても助言を受けた。竜寛さんは「支援は心の支えで、自信を持たせてくれた。これからも2人で続けていきたい」と前向きに話す。
よろず支援拠点全国本部(中小企業基盤整備機構)によると、2014年度の設立から年々増えていた全国の相談件数はコロナ禍で急増。23年度は約43万件と前年度より18%減ったが、コロナ前の水準を上回った。
中小企業庁の担当者は「全ての答えをよろず拠点が出すのではなく、信頼関係を築きながら、経営者が課題を認識し自立していくのが理想的だ」と指摘する。
24年4~6月の相談対応は山梨や滋賀、徳島の3県は各約1300件にとどまり、都道府県ごとに件数のばらつきが大きい。中企庁は認知度向上に向け、中小企業と接点が多い金融機関などに紹介してもらえるよう働きかける方針だ。
令和 6 年 8 月 6 日 沖縄タイムス経済面掲載
こちらもご覧ください >> https://yorozu.ti-da.net/e12773689.html
県商工会連合会と県よろず支援拠点は21日、那覇市の県男女参画センターてぃるるで県地域支援機関連携フォーラムを開いた。原材料の高騰や人手不足が中小企業の経営を圧迫する中、支援機関が連携する重要性を共有した。
第1部は支援の事例が共有された。よろず支援拠点の金城力サブチーフコーディネーターは2013年創立の菓子製造販売業者の例を報告。委託を受けて他社ブランドの製品を製造するOEMが好調で4期連続の黒字となる一方、軌道に乗るまでに債務超過が膨らみ、機械化など新たな投資のための融資が難しく、支援の相談を受けた。
新たに融資をする銀行を探すため、中小企業活性化協議会に経営改善計画書の作成を依頼し、中小機構沖縄事務所は商品の品質管理のため専門家を派遣するなど、支援機関で連携したことを報告した。
活性化協議会の統括責任者補佐を務める弁護士の大島優樹氏も赤字経営だったサービス業の支援を報告しながら「事業再生や再チャレンジは早期に対応することでより選択肢が広がる。金融機関、商工会や商工会議所、専門家を含めて連携を深めたい」と話した。
第2部では各支援機関の関係者がパネルディスカッションでコロナ禍のゼロゼロ融資の返済が本格化する中での支援の重要性を話し合った。
(政経部・銘苅一哲)
詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12754607.html
中小・小規模事業者の経営相談に対応する県よろず支援拠点による「地域支援機関連携フォーラム」が21日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで開かれた。コロナ禍からの事業再生支援をテーマに専門家や弁護士、金融機関の関係者らが意見交換した。財務分析や事業承継の必要性、後継者育成、金融機関との交渉など、課題が多岐にわたることから、困難を抱える事業者への早期接触や関係機関の連携の必要性を確認した。
県よろず支援拠点の金城力氏は事例報告で、赤字体質だった菓子製造企業を承継した経営者が3期連続で黒字を上げたものの、設備投資目的の新規融資を受けられなかった事例を説明した。
承継前の累積赤字で債務超過となり、保証協会が金融機関に代位弁済していたことが理由。赤字店舗の閉鎖や経営改善計画を策定して金融機関と交渉し、代位弁済の求償権消滅と沖縄振興開発金融公庫から資本性劣後ローンの融資を受けたと対応を説明した。
県中小企業活性化協議会の統括責任補佐の大島優樹弁護士は、営業赤字が継続し、事業再生も厳しかった企業について、事業整理の影響を最小限にするために、事業承継を見付けた上で法人としては破産し、事業と雇用は別法人に引き継いだ事例を紹介した。「関係機関の連携がスムーズに進み、迅速で適切な支援へつながった。早期対応で選択肢が広がる」と強調した。
(島袋良太)
令和 6 年 6 月 25 日 琉球新報 経済面掲載
詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12751950.html
◆ 企業名 沖縄県よろず支援拠点
◆ 業 種 経営相談窓口
◆ 所在地 那覇市
◆ 開 設 2014年
◆ 相談員 30人
2014年に中小企業庁が全国47都道府県に設置した「よろず支援拠点」は、減少を続ける中小企業、小規模事業者の持続、発展を目指して10年間あらゆる経営相談に対応するため走り続けてきた。その内容はこの紙面で毎週紹介させていただいた。
よろず支援拠点に与えられたミッションは3点。(1)専門性の高い経営アドバイス(2)課題解決のための総合調整(3)他の支援機関等に対する支援ノウハウの共有―などとなっている。つまり、さまざまな経営課題に悩む事業者の相談に対応し地域の支援機関や金融機関と連携して課題解決を図っていくことを目的としている。
これまで約3万5千の事業者から6万件以上の相談を受けてきた。相談者の満足度は平均93.3%で全国平均を上回っている。ここ数年は、首里城火災、豚熱や鳥インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症など、社会的にも大きな被害により経営に影響を受けた中小企業・小規模事業者に寄り添い課題解決を支援してきた。
4年前から続くコロナ禍と、それに続いた物価の高騰は、約3万件以上実施されたコロナ関連融資の返済開始と重なり、県内中小企業に深刻な影を落としている。観光客が増加し売り上げが上がったとしても、原材料費や燃料費、人件費の値上がりで利益は減少している。返済原資が確保できていないのだ。昨年は休廃業や解散、倒産も史上最高件数を記録している。今年はさらに増加すると見られている。
一昨年6月に海邦総研が発表した「県内企業の新型コロナ関連融資の見通し」で「返済に懸念がある」と回答した企業は22.1%に上る。昨年から「返済ができない」など経営危機に直面し事業の存続に不安を持つ事業者が多く相談に訪れている。代位弁済の件数も、全金融機関で前期比149.2%、中には292.2%と急増している銀行もあり、金融機関には懸念のある事業者を相談に促してほしいとお願いしている。
もちろん、よろず支援拠点だけで事業者の経営危機を救えるわけではない。県信用保証協会、県中小企業活性化協議会、事業承継・引継ぎ支援センターなどの支援機関、地域の金融機関、国や県の中小企業支援施策と連携しながら、中小企業の消滅を1者でも多く防ぎたいと思っている。
(県よろず支援拠点チーフコーディネーター・上地哲)
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